Constitution25の日記

頭があまりよくないです

シュレディンガーの女

蓋を開けてみないと、その女性の立ち位置が判明しないという問題が、人生には存在する。

 

僕は去年の12月に独立をして、自営業者となった。9月末に会社を退職し、ゆるゆると開業準備を進めていた。

独立に伴って居住地を移すことになったので、12月には引っ越す前の地で友人・先輩とよくお酒を飲みに行っていた。

 

様々な飲み会をこなしていく中で、ひょんなことからセフレになった巨乳の先輩と飲みに行く機会があった。

 

酒の席では世間話もそこそこに、自然とラブホへしけこみ、セックスをした。

しばらくはその先輩に会えないことがわかっていたので、その夜はかなり燃えたし、記憶に残る一日になった。

 

長年住んでいた土地を離れ、年末から新天地に移り、年明けから本格的に仕事が始まった。

初めて独立して仕事をするということで、緊張と不安でいっぱいで日々生き延びていくのがやっとみたいな生活を送っていた。

 

そんな慌ただしい生活を続けていて1ヶ月が経った。

僕は誕生日を迎えた。

知り合いからLINEやFacebookでお祝いのメッセージが五月雨に届く。

 

そんな中に先月セックスした巨乳の先輩からもお昼頃にメッセージがあった。

「お祝いメッセだろうな」とカフェで昼休憩をとっているときに無防備に開くと

 

「生理が来ません」

 

背筋が凍った。頭が真っ白になった。

その日予定されていたお昼以降のタスクは3割ほどしか消化できなかった。

 

終業後自宅へ帰り、その先輩と電話した。

とりあえず現状を知りたかった。

病院へは行ったのか、妊娠検査は行ったのか、彼氏の有無は、などまずは状況把握し対策を考えようとした。

 

だけど、なんだか話している内にこれまでの人生で経験したことがないような変な感情に襲われ、プロポーズをした。いや、してしまった、という表現の方が正しいと思う。

 

「もし子供が生まれたら、結婚しよう」

 

プロポーズの結果はOKだった。

今冷静になって考えると、これ以上ないほど不誠実なプロポーズだし、自分の人生初のプロポーズ内容がこれって結構情けないなと惨めな気持ちになる。

 

そこから実際に子供が生まれるのか、ただの生理不順であるかが判明するまで2週間ほどの時間を要した。

 

結論から言うと、後者であった。

 

プロポーズの言葉には続きがあった。

 

「もし子供が生まれたら、結婚しよう。生まれなかったら、セフレのままでいよう」

 

子どもがいわば箱の蓋である。

箱の中には"奥さん"と"セフレ"という2つの可能性が共存している。

まさにシュレディンガーの女だ。

 

相反する状態である"奥さん"と"セフレ"。

生と死のどちらもの可能性が共存することをシュレディンガーは指摘したが、世の中にはこんな共存もありうるのだ。

 

今でもその先輩とはたまに会って楽しくセックスをしている。